社長ブログ

「ウェリントン」

ニュージーランドに留学して、半年ぐらいが経った頃、

首都のウェリントンに友達と出かけた。

その頃僕はホームシックになっていた事もあり

特に勉強もせずにダラダラと過ごしていた。

夜、安ホテルでタバコを吸おうと

喫煙所になっているリビングに行くと、

鼻にピアスや腕によくわからないタトゥーをしている

同じぐらいの年代の男女が酒を飲み騒いでいた。

嫌だなと思いタバコを吸っていると案の定話しかけられた。

「日本人か?」

「どこに住んでいるんだ?」

「何しに来たんだ?」

彼らは旅行者ではなく地元の若者で

友達が、ここでバイトをしているから

集まって騒いでいると話していた。

次々に質問されるので、一つ一つ答えていると不意に

「お前が誇りに思っているのはなんだ?」と聞かれた。

突然の事で戸惑っていると質問してきた男は

「俺はこの街に国立博物館がある事を誇りに思っている。

だから俺はこの街に貢献したいと思っている」と言った。

その言葉を聞いて驚いた。

まさかそんな言葉が彼らから出て来るとは

思ってもいなかった。

それに比べ僕は答えられなかった。

誇りに思える事がなにもなかったからだ。

なんだか自分がとても恥ずかしくなった。

部屋に戻り自分を振り返ってみた。

親に高い学費を払わせ何やっているんだと思った。

それからは勉強して、その年の最優秀生徒の一人に選ばれた。

それを何気なく電話で母親に伝えるとビックリするほど喜んだ。

なんとなくいい気分だったのを覚えている。

今あの質問をされたら、どうか?

たまに思い出す事があるが、

今はきちんと答えられる自信はある。

それはスタッフだ。

うちのスタッフは病気や介護の不安を抱えている患者さんや

入居者さん、その家族にとって頼りになる存在、

支えとなる存在となっていると思う。

そんなスタッフが自分の会社で働いているということを

僕は誇りに思う。

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